コレクション紹介

当館のコレクションは、2023年3月末の時点で、5,732件を数えます。これらのうちには、国宝2件、重要文化財13件、重要美術品9件が含まれています。
(*これらの作品は、必ずしも展示されておりません。展示予定については、年間スケジュール、展覧会情報をご覧いただくか、お問い合わせください。)

安宅コレクション(住友グループ寄贈)

旧安宅産業株式会社が収集した、中国陶磁144件と韓国陶磁793件を中心とする965件に及ぶ東洋陶磁コレクションです。世界的にも評価が高く、国宝2件と重要文化財12件が含まれます。安宅産業の事実上の破綻により、そのコレクションは主力銀行の住友銀行を中心とした住友グループ21社により大阪市に寄贈され、その展示、保管、研究施設として1982(昭和57)年に当館が設立されました。

掲載図録
「大阪市立東洋陶磁美術館 館蔵品選集 東洋陶磁の展開」1999年3月初版発行
「美の求道者・安宅英一の眼-安宅コレクション」2007年4月発行
「撮影・三好和義 大阪市立東洋陶磁美術館コレクション 東洋陶磁の美」2014年3月発行

李秉昌(イ・ビョンチャン)コレクション

在日韓国人である李秉昌(イ・ビョンチャン)(1915-2005)博士が日本で収集した韓国陶磁301件、中国陶磁50件を中心としたコレクションで、韓国陶磁の個人コレクションとしては世界的な質と量を誇ります。韓国陶磁文化の世界的な発揚と在日同胞の矜持(きょうじ)と希望の糧(かて)となるようにとの李博士の願いから、1996-1998(平成8-10)年に大阪市立東洋陶磁美術館に寄贈されました。

掲載図録
「優艶の色・質朴のかたち-李秉昌コレクション韓国陶磁の美-」1999年3月発行

入江正信コレクション

酒器を中心に収集された中国陶磁約250件の本コレクションは、大汶口文化の黒陶から清時代の民間青花磁器に至るまで時代別、種類別、窯別に多岐にわたっている点に大きな特色があります。

掲載図録
「入江氏蒐集 中国陶磁小品」1997年1月発行
「中国陶磁に遊ぶ-入江正信コレクション」2009年8月発行

堀尾幹雄コレクション

濱田庄司らとも親交のあった堀尾幹雄氏(1911-2005)によって収集されたもので、個人コレクションとしては日本でも有数といえる濱田庄司作品約200件を中心に、河井寛次郎、芹澤銈介、バーナード・リーチなど関連作家の作品も含まれます。また、実用器という視点から収集された約50件の古染付も特色のあるものです。

掲載図録
「堀尾幹雄コレクション 濱田庄司-手仕事の軌跡」2000年10月発行
「大阪市立東洋陶磁美術館所蔵 堀尾幹雄コレクション 濱田庄司」2008年8月発行
「古染付の魅力」2008年9月発行

高田早苗コレクション

1959年から60年にかけてイランで収集された約130件の本コレクションは、ペルシアを中心とした西アジア製の土器、陶器、青銅器、ガラスなど多岐にわたっています。

掲載図録
「高田早苗氏蒐集 ペルシアの陶器」2002年4月発行

尾形周平コレクション

陶芸家の故・五代尾形周平氏の収集した西アジア製の土器、陶器など約10件のコレクションです。

鈴木正男コレクション

「朝鮮陶磁の神様」と言われる浅川伯教の娘婿にあたる鈴木正男氏から寄贈いただいた、浅川伯教旧蔵作品や関連資料など約1,000件の貴重なコレクションです。

掲載図録
「鈴木正男氏寄贈 浅川伯教が愛した韓国のやきもの」2009年4月発行
「浅川伯教・巧兄弟の心と眼-朝鮮時代の美」2011年4月発行

白檮廬コレクション

卯里欣侍氏(号「白檮廬」)が蒐集した約180件からなるコレクションです。文人気質のコレクターが独自の視点で蒐集したコレクションには、核となる中国陶磁のほか、漆器、青銅器、書画などが含まれています。

掲載図録
「白檮廬コレクション 中国陶磁」2003年10月発行
「白檮廬コレクション 中国古陶磁清玩」2013年8月発行

福島サトコ氏寄贈川崎毅作品

多摩市在住の現代陶芸作家・川崎毅(1942-)の約30件の作品です。1980年代から現在まで続けられる「街」をテーマとするシリーズは、風景を立体として切り取ることを考えたもので、変化が加わりつつも決して揺るがぬ存在感を放っています。

掲載図録
「福島サトコ氏寄贈-川崎毅展」2010年12月発行

清水保孝氏寄贈清水卯一作品

陶芸作家の清水卯一(1926-2004) は鉄釉陶器の優れた技術により国の「重要無形文化財」、いわゆる「人間国宝」に認定され、独自の作風で高く評価されています。12件の本コレクションは長男で陶芸作家の清水保孝氏からのご寄贈いただいたものです。

宇野眞理栄氏寄贈宇野宗甕作品

初代宇野宗甕(1888~1973)は初代仁松の長男として京都に生まれ、国が撰定した無形文化財、辰砂・青磁技術の「関係技芸者」に選ばれた陶芸家です。約90件の作品を宇野眞理栄氏からご寄贈いただきました。

掲載図録
「初代宇野宗甕の陶芸」2009年12月発行

沖正一郎コレクション

陶磁、ガラス、金属など各種材質の鼻煙壺1,139件のコレクションです。鼻煙壺のコレクターとして著名な沖正一郎氏より寄贈を受けたもので、これを機に約100件を常時展示するコーナーを館内に新設しました。

掲載図録
「中国工芸の精華 沖正一郎コレクション-鼻煙壺」2008年7月発行
「大阪市立東洋陶磁美術館所蔵・沖正一郎コレクション 掌中の美 鼻煙壺200」2011年9月発行

海野信義コレクション

香川県在住の海野信義氏からご寄贈いただいた、中国漢時代から唐時代にかけての俑と明器26件のコレクションです。中国古代の墓室を飾ったやきものの世界をうかがうことができます。